心術は対象の心に影響を及ぼし、相手の動きを止める呪文が数多くあります。
催眠術師や扇動者など、人心を掌握する人たちがこの学派を学ぶことでしょう。
あるいは、フェイたちを見て学んだのかもしれません。過去の為政者たちのやり方を見て、魔法の解決策を探しているのかもしれません。
どのような理由にせよ、この学派に入ったからには、あなたは自分の敵を魅了し、従わせる術を覚えていきます。
心を操って何を成し遂げられるのでしょうか?さっそくそれを確認していきたいと思います。
心術の専門家
全ての魔法学派は、その呪文タイプの専門家スキルを得ます。これは殆どフレーバーに近いですが、適切な巻物や呪文書を入手できれば、必要なゴールドをかなり節約できることになります。
しかし、チャーム呪文やドミネイト呪文など、最も重要な心術の呪文は自分で手に入れるようにしましょう。
催眠の凝視
2Lvでこの系統は、言葉と視線で他人を呪縛することができる。1回のアクションとして君から5ft以内の、君から見えるクリーチャー1体を選択する。
目標は君を見るか、声を聞くことができる場合、君のウィザード呪文セーヴ難易度に対して【判断力】セーヴを行う。失敗すると次の君のターン終了時まで君によって魅了状態になる。魅了状態となったならそのクリーチャーの移動速度は0になり、無力状態となり、君に見とれていることが誰の目にもわかる。
以降各ターンで、君は自分のアクションを用いることでこの効果を持続させ、持続時間を次の君のターン終了時まで延長することができる。ただし、君が移動してそのクリーチャーから5ftより遠くに離れるか、そのクリーチャーがもはや君を見ることも声を聞くこともできなくなるか、クリーチャーがダメージを受けたならこの効果は終了する。
効果が終了するか、クリーチャーがこの効果に対して最初のセーヴィングスローに成功したなら、君は以降大休憩を終了するまで、同じクリーチャーにこの特技を使用することができない。
これは理論的にはとても強力な能力です。テキストには魅了状態とありますが、これは魅了することができないクリーチャーはこの能力に耐性を持っていることを表すためのものであって、この能力は実質的に麻痺とほぼ同じです。
【判断力】セーヴで対象を無期限に麻痺させることができます。自分も維持のためにアクションを使わなければいけませんが、あなたのパーティがあなたのことを守れる限り、相手を戦闘不能にしたのと同じことです。
これにより、重要な敵を拘束具で安全に拘束したり、あなたと一緒に崖の近くまで歩いて行って、谷底に突き落としたりと、完璧な状況を作り出すことができます。
はい、問題点です。この能力を使用するためには、相手の5ft以内にいる必要があります。つまり、あなたはヒットダイスがD6のクラスで、近距離にいなければいけないということです。
これにはいくつかの安全な方法が考えられます。例えば、透明になることです。事前に見られていた場合、透明になるだけでは位置が分かってしまいますが、位置が割れていないなら、あなたの声が聞こえることによって条件を満たすことができます。
ゲーム後半になると透明を見破る敵が増えてくるので、ずっと使えるわけではありませんが、単一のターゲットを確保する必要があるときは良いでしょう。
また、非戦闘中にも使い道は多くあります。強情なNPCに無期限の魅了状態をかけることで、あなたは容易く情報を聞き出すことができたりするようになるでしょう。
大休憩ごとに1回という条件も、同じクリーチャーでなければ使用することができるため、数多くのクリーチャーをとらえ続けることができますし、この能力は目標に声が聞こえていれば言語が理解できている必要はなさそうです。つまり、効かないのは魅了が効かない敵だけということであり、対象は幅広く使えるはずです。
とっさの魅了
6Lvで、君は君から30ft以内にいて、かつ君から見えるクリーチャーが君に対して攻撃ロールを行ったとき、そのとき攻撃の射程内に君以外のクリーチャーが存在するならば、君はリアクションを用いて攻撃をそちらに逸らすことが可能になる。
攻撃者は君のウィザード呪文セーヴ難易度に対して【判断力】セーヴを行い、セーヴに失敗したなら、”君でも攻撃者自身でもないクリーチャーのうち、攻撃者から最も近い者”を攻撃対象にしなければならない。目標が複数いる場合、誰にするかは攻撃者が決定する。
攻撃者がセーヴに成功したなら、君は以降大休憩を終了するまで、同じクリーチャーにこの特徴を使用できない。この特徴を使用するかどうかは、攻撃がヒットかミスか宣言する前に選択しなければならない。また、魅了状態にならない敵はこの能力に完全耐性を有する。
いくつかの欠点はありますが、これは非常に強力な能力です。
ほとんどの戦場は30~60ftぐらいの大きさで行われますので、あなたはある程度前線に近づく必要があります。そうすると、自分が矢で撃たれたとき、リアクションで敵の前衛に矢を飛ばすことができます。これはかっこいいですね。
しかも、1日に1人のクリーチャーに対して、セーヴに成功されるまで何回でも使えますし、セーヴに成功されても他のクリーチャーにはまだ使用することができます。通常のこの手の大休憩を要する能力にしては、かなり使用回数が多いと言えます。
いくつかの問題というのは射程距離です。遠距離攻撃を行う術者や射手の射程は60ft以上はある傾向があります。
つまり、この能力で違う敵を撃たせたいのであれば、彼らの射程の半分以上に近づいて、かつ相手が離れないようにする必要があります。屋内ならば問題ないでしょうが、野外だと少々面倒かもしれません。
近接攻撃の敵に対してこの能力を使うのはより難しいです。殆どの場合、あなたは後衛に一人でいることが多く、このリアクションで他の敵に移し替えるというのが難しくなります。
あなたが味方に攻撃を移し替えたいのであれば別ですが。ACは味方の方が高いと思われるため、それも悪くないかもしれません。しかし、だったら最初から殴られるような最前線に行かない方がいいでしょう。
よって、この能力を有効利用するにはある程度近づく必要がありますが、最前線には決して近づかないようにしてください。
二股の心術
シンプルで簡単、そしてストロングポイントを押さえています。
また、驚くべきことにほとんどの心術呪文は、単一の目標をターゲットにしています。
今までは多数の敵が出てくる戦闘では、ファイア・ボールやライトニング・ボルトに比べてドミネイト呪文はあまり役に立ちませんでした。
しかし、ここで状況が変わります。Lv1呪文のチャーム・パースンやターシャズ・ヒディアス・ラフターが1体でなく2体を対象に発動するようになるのです。2体の目標をドミネイト呪文で操ることもできますし、2人をギアス呪文で呪うこともできます。
これによって、心術が苦手としていた複数人との戦闘においても、あなたの心術呪文はより効果的になるのです。
この効果は強力です。通常は二回唱えなければならなかったところを一回で済むようになるだけでなく、呪文スロット数の節約にも繋がるでしょう。キャンペーンが進むにつれ、この効果のありがたみが増すはずです。
記憶操作
14Lvで、君は1体のクリーチャーに、”自分が君の魔法的影響を受けたこと”を気づかせないという能力を得る。君は1体以上のクリーチャーを魅了状態にするために心術呪文を発動した際に、そのうち1体のクリーチャーは、自分が魅了状態になったことを気づかせないままにしておくことができる。
加えて、その呪文が終了するまでに1回、君は自分のアクションを用いて、先ほど選択したクリーチャーに、魅了状態で過ごした時間の一部を忘却させることができる。そのクリーチャーは君のウィザード呪文セーヴ難易度に対して【知力】セーヴを行い、失敗すると(1+君の【魅力】修正値)時間、(最低1時間)ぶんの記憶を失う。
君はそのクリーチャーが忘れる時間をより短く設定しても構わないが、忘れる時間は、君の心術呪文の効果時間より長くなってはいけない。
最後の能力は二つに分かれていますが、どちらも非戦闘時に役に立つものです。
魅了呪文をかけられたかどうかは、戦闘中は気にする必要はありません。敵は既に死んでいるか無力化されているので、彼らが魅了されたかどうかはどうでもいいでしょう。
非戦闘中は有効です。たいていのチャーム系呪文は、呪文終了時に、対象は魅了呪文の影響下だったことに気づきます。これがもう二度と会わないような人物なら特に問題はないのですが、例えば王様のような重要人物を魅了したときですね。王様に魅了呪文をかけることは犯罪かもしれませんが、王様がそれを知らなければ何もありません。
さらに、あなたはそのような魅了された時間、対象の記憶を消すことができます。
殆どのクリーチャーには、魅了状態にさせたとき、あなたの有利になるような交渉をさせているはずです。そのような交渉内容を忘れさせてしまっては困るときは、記憶を消すべきではありません。
しかし、その”魅了されているクリーチャーには”怪しまれない行いでも、他の人の耳に入るとまずい行いを”あなたが指示”したことを突き止められたくない場合、積極的に記憶を消すべきでしょう。
例えば、犯罪者を脱獄させる書類にサインさせるよう指示した、とか。このような記憶は消してしまえば、後から事情聴取があっても、サインをした人は全く身に覚えがなくなります。
モディファイ・メモリーのような呪文と同時に使うと、もはや何が正しかったのか分からなくなりますよ。
心術の学派に対する見解
心術の学派は、Lv10の特技で心術呪文に大きなボーナスを得ることができます。
Lv2の能力やLv6の能力はある程度敵に接近する必要があるため、ある程度の自衛能力が必要かもしれません。また、どうしても人の記憶を消し去りたいのであれば魅力も上げる必要があるでしょう。
全体的には、戦闘と非戦闘時のバランスが良いと思われます。心術呪文はどちらかというと非戦闘時向きで、戦闘中に使える心術呪文は対複数の戦闘にあまり向いていませんでしたが、それを能力がある程度は補っています。とはいえ、やはり限界はありますが。
主に遠隔攻撃への防御手段や、単体の敵を即座に無力化する手段も兼ね備えているため、攻撃的ではありませんが、戦闘から非戦闘時まで、色々な状況に対応できると言えるでしょう。
思うがままにNPCの行動を操り、無力化したいのであれば、このクラスがお勧めです。
ぜひ使ってみてください。
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