「ブラス・バーミンガム」ボードゲーム感想。産業革命期の投資家となってイギリスを発展させよう。ルールミスしやすいポイントもチェック

ボードゲーム

1770~1870年イギリス。この地はまさに産業革命を迎えていた。

鉄鋼業を中心に栄えていた重工業地帯、石炭を燃やして上がるその黒煙から、通称「ブラックカントリー」と呼ばれていたウェスト・ミッドランド地方でプレイヤーたちは産業投資に勤しむことになる。

2007年に発売されたブラスのリメイク作品であるブラス・ランカシャー(黒ブラス)を現代風にブラッシュアップさせたのが今作、ブラス・バーミンガム(白ブラス)

傑作ゲームである黒ブラスの尖っていた要素を丸くし、より遊びやすく調整されました。

経済・流通・産業・金融といった要素が複雑に絡み合い、かつ素晴らしいバランスで取りまとめられている大傑作ゲームです。

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「ブラス・バーミンガム」ゲームの概要

「ブラス・バーミンガム」では、プレイヤーは産業革命期の投資家となり、イギリスのバーミンガム地方にある各産業に投資し、お金や勝利点を稼いでいきます。

ゲームは運河の時代、鉄道の時代の二時代で構成されており、鉄道の時代が終了したときに最も勝利点を稼いでいたプレイヤーが勝者となります!

プレイヤーの手番では手札として配られたカードを消費しつつ、六つあるアクションの中から二アクション行っていきます。

これを繰り返し、補充できる山札も、消費できる手札も全員が全て使い終わったとき時代が終了します。

時代終了時の決算を見据えてどう手番で動くべきか、動かざるべきか。

選択肢の豊富さに加え、濃密なインタラクションが魅力な、「辛くて苦しい、でも面白い」ゲームを作るマーティン・ワレス氏の大ヒットボードゲームとなっています!

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フェイズの構成

「ブラス・バーミンガム」では以下の流れを1ラウンドとし、ゲームが進行します。

1:アクションフェイズ
2:手番順決定フェイズ
3:収入獲得フェイズ
4:(全員の手札がなくなっていれば)時代終了フェイズ

フェイズの流れや、できるアクションの内容は非常にシンプルなものの、細かい条件が多くあり、初めてこのゲームをプレイする人が間違えやすいところがいくつかあります。

間違えやすいところにチェックポイントを置いて解説していきます。

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アクションフェイズ

アクションフェイズでは、6個のアクションの中から手番順でアクションを2回ずつ行います。

※アクションを1つ実行する際に、必ず手札を1枚消費し、捨て札にします。

※アクション実行後、山札にまだカードがあれば2枚補充し、元の枚数に戻します。

山札にカードがない場合は補充しません。

ゲームの1ラウンド目のみ、アクション回数は2回ではなく1回になる。
各アクションで消費したお金はプールに戻さずに、自分の手番順マーカーの上に置く
(手番順決定フェイズで各人がいくら消費したかを確認するため)
アクションの内容は以下の通りです。
建設:ゲームボードに産業タイルをコストを払って置く
敷設:ゲームボードに運輸タイルをコストを払って置く
開発:個人ボードから産業タイルを1枚か2枚除去する
売却:紡績所、工場、窯元タイルを裏返すことができる。
借金:収入レベルを3下げて、30金得る。
偵察:追加でカードを2枚捨て、ワイルド産業、ワイルド都市カードを得る。

建設アクション

建設アクションでは、個人ボード上にある各種産業タイルを、コストを払ってゲームボード上に置くことができます。

建設は必ず、建てようとする産業タイルごとに残っている一番ランクの低いものから建てる必要があります。

また、時代によっては建てることのできない産業タイルがあることにも注意してください。

建設コストにはお金以外に石炭や鉄を消費するものがあります。

石炭や鉄は消費するためのルールが決まっています。

鉄はゲームボード上に残っている鉄があれば、好きなところから(他人のものでも)使うことができます。それらがない場合、市場トラックにある鉄を買うことで支払うことができます。
石炭は、ゲームボード上に残っている石炭があり、かつその都市が配置した後のタイルに接続していれば、そこから使うことができます。複数ある場合は、より近い都市のものから消費されます。それらがない場合、配置した後のタイルが商人マーカー都市に接続していれば、市場トラックにある石炭を買うことで支払うことができます。
接続とは、ある都市から他の都市に、運輸タイルを辿っていくことができる場合、接続されているとみなします。他のプレイヤーの運輸タイルでも構いません。

置くことができる場所やタイルは消費したカードの種類によって変わります。

都市カードを消費した場合、その都市に産業タイルを置くことができます。

産業カードを消費した場合、自分のネットワーク内の都市に、指定されている産業タイルを置くことができます。

ゲームボード上に、自分のネットワークがない時に産業カードを消費した場合のみ、好きな都市に建設することができます。

自分のネットワーク内とは、既に自分の産業タイルが配置済みの都市か、自分の運輸タイルによって接続されている都市のことを指します。
運河の時代では、一つの都市に自分の産業タイルを複数枚置くことはできません。
配置されたタイルが炭鉱所、鉄工所、ビール醸造所だった場合、記載されている個数の石炭・鉄・ビールコマをそのタイルの上に載せます。
コマを載せた後、石炭や鉄は、それらのコマが市場に自動で売却される可能性があります。
鉄の場合、市場トラックに空きマスがあれば、マスが埋まるまで売ることができます。
石炭の場合、市場トラックに空きマスがあり、かつその炭鉱所が建設時に商人マーカー都市に接続されていた場合マスが埋まるまで売ることができます。(建設後に接続されても自動売却はしない)
それらのタイルは、上に載っているコマがなくなったときに裏返しになり、そのタイミングで記載されている恩恵(収入ゲージの上昇、時代終了時の勝利点)を受けることができます。
※建て替えについて
自分の産業タイルであれば、同じ種類のタイルで建て替えることができます。
他人の産業タイルの建て替えは、炭鉱所もしくは製鉄所のみが建て替えることができ、また、市場にもボード上にもその資源が存在していないときのみ行うことができます。

敷設アクション

敷設アクションでは、自分の運輸タイルをコストを払ってゲームボード上に置くことができます。

敷設できる場所は、自分のネットワーク内の都市に隣接している運河/線路上になります。

運河の時代では運河にのみ置くことができ、鉄道の時代では線路に置くことができます。

鉄道の時代ではより多くのコストを支払うことで、1アクションで2回敷設を行うことができます。
鉄道の時代の敷設には石炭が必要なため、敷設後の運輸タイルに石炭供給地が接続している必要があります。

開発アクション

開発アクションでは、自分の個人ボード上にある産業タイルを1枚か2枚除去することができます。

また、タイルを除去するごとに鉄を消費する必要があります。

除去する際は、必ず除去したい産業タイルの中で、もっともランクの低いものから除去します。

一部の窯元タイル(ランク1・ランク3)は開発によって除去することができないことに注意してください。

売却アクション

売却アクションでは、建設アクションで建てた自分の紡績所タイル、工場タイル、窯元タイルを裏返し、その恩恵を受けることができます。

売却するためには、売却しようとしているタイルが置かれている都市と、対応する商人マーカーがある都市が接続されている必要があります。

また、殆どの売却アクション実行時に、ビールを消費する必要があります。

各時代の初めに、商人マーカーの上に補充されるビールコマが残っている場合、そこから消費することができ、横に記載されている恩恵を即座に受けます。

それらがない場合、ボード上に残っているビールコマがあり、かつビールコマが置かれている都市と接続されている場合、そこから消費することができます。

ビールコマには市場トラックがないため、ボード上にビールコマがない場合はそのアクションを打つことができません。
ビールの消費は石炭の消費と似ていますが、複数候補地があった場合でも近隣から消費する必要はありません。

借金アクション

借金アクションでは、各ラウンド終了に貰える収入ゲージを3減少させることによって、即座に30金を手に入れることができます。

収入ゲージは上昇と減少のときで上がり方、下がり方のルールが違います。
上昇はゆっくりと、減少は一気に下がります。

偵察アクション

偵察アクションでは、通常消費しなければならないカードに加え、さらに追加で2枚カードを消費することによって、ワイルド都市カードとワイルド産業カードを1枚ずつ手札に加えることができます。

ワイルド都市カードとワイルド産業カードとは、どの都市/どの産業としても使えるカードです。

追加で消費できるカードがない場合、偵察アクションを実行することはできません。

また、手札にワイルド都市カード/ワイルド産業カードがどちらか一枚でも残っている場合、偵察アクションを実行することはできません。

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時代の終了処理

ラウンド終了時には直前に消費したお金が少ない順に次手番の手番順が与えられます。

そして、これら六つのアクションを繰り返し、全員の手札がなくなったとき時代が終了します。

時代の終了時には決算が発生し、このタイミングでゲームボード上に配置されている運輸タイルや産業タイルから勝利点を獲得します。

運輸タイルの場合、運輸タイルが配置されている両側の都市に配置されている裏向き産業タイルに示されている運輸用勝利点の合計値を1枚ごとに加算します。

産業タイルの場合、裏向きになっている産業タイルに書かれている勝利点をそれぞれ得ます。

これらを運河の時代、鉄道の時代終了時に行い、両方の時代が終了したときにゲームが終了します!

運河の時代終了時に配置されている運輸タイルは、鉄道の時代開始時に全て除去されます。
運河の時代のみ建設可能な産業タイルが、ゲームボード上にある場合、運河の時代終了時に除去されます。個人ボード上にある場合は除去されませんが、ゲームボードに配置することはできなくなるため、そのようなタイルが鉄道の時代にある場合、開発アクションで取り除かない限りその産業タイルは配置できなくなります。
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「ブラス・バーミンガム」ゲーム感想

重ゲー借金ゲーといった辛く、そして苦しくも悩ましく楽しいゲームを作ることで有名なマーティン・ワレス氏の大ベストヒット作品です!

豊富な選択肢に綿密に絡まったインタラクションが存在し、プレイヤー同士の相互作用を強烈に促しているのがとても面白い!

まさにスルメゲーといったよく、やればやるほどうま味が出てくる作品ですね。

他の人の輸送網や資源をときに使わせてもらったり、先にいい建築場所を確保してしまったりと、あらゆる行動が他の誰かにとっての利益や妨害にもなり、他プレイヤーの一手一手の行動も見逃せない緊張感があるゲームです。

マーティン・ワレス氏は私が最も好きなゲームデザイナーの一人であり、その理由として「テーマ」と「システム」の融合が高いレベルでなされている作品が多いというのがあげられます。

このブラス・バーミンガムも例外ではなく、例えば一見煩雑に見える石炭や鉄の輸送といったルール周りも、しっかりと当時の資源の特色を反映させた作りになっていたりと、深く当時を感じさせてくれるロマンがあります。

システムにテクスチャをただ貼り付けただけのような作品よりも、そのテーマだからこそこのシステムで100%しっくりくるといった作品が多いのがとてもよいです。

BGGでも第四位(!)と非常に高評価であり、世界的な名作といっていいと思います。

蒸気機関、鉄道、利権、産業革命といった要素にロマンを感じる人や、要素の多い重ゲーでリソースこねくり回すのが好きな人、他プレイヤーとのインタラクション要素を楽しみたい人などにはこのゲームはとてもピッタリハマってくれると思います。

ルールは一度覚えてしまえばそこまで量はないので、ぜひ一度プレイしてみてくださいね。

また、通称「白ブラス」とも呼ばれる本作は、ブラス・ランカシャーという通称「黒ブラス」と呼ばれる姉妹作が存在しています。

どちらも同じぐらい面白いゲームだと思いますが、最後に簡単に両者の違いをまとめます。

白ブラスと黒ブラスの違い

基本的なルールは両者ともに同じです。黒ブラスを元にして白ブラスは作られており、より白ブラスは現代風にアレンジ、言い換えるとマイルドにして間口を広めた作りになっています。

・リプレイ性が高い
・多様な戦略で遊べる
・リソースやハンドのマネジメントが好き

こういった要素が好みなら白ブラスが良いでしょう。

一方黒ブラスは建物の種類が減っているにも拘らず、それ単独では機能しないような建物となっているため、他プレイヤーと必然的に協力・駆け引きという要素が強くなっています。

・競技的で、よりタイトな勝負が好み
・他人の動向を見ながらタイミングを計るといった対人インタラクション要素が好き
こういった要素が黒ブラスにはあると思います。
もちろん白ブラスにインタラクションがないかと言われるとそんなことはなく、黒にマネジメント要素がないかと言われるとそんなことはありませんが、要素の強弱でいうとこんな感じかなと思いました。
両者ともにアートワークもかっこいいので、どちらを買うか迷ったら両方買ってしまうのも手です。
どうせ両方とも面白いですからね!!!!

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